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  ikepon-news 2005.11 開設 2012.01.07 更新

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国民救援会運動のはなし、憲法のはなし、平和のはなし、他愛ない話題など、思いつくまま 気の向くままに書いていきます。 ・・・・・・・・

新着 取調べ可視化を求める市民集会!!
# by ikepon-news | 2012-01-07 23:59 | blog
取調べ可視化を求める市民集会が230人で開催
(12月7日)
 
 

「なぜ、無実の人が『自白』をしてしまうのか~取調べの全過程の録画が必要なワケ~」と題した市民集会が12月7日、東京・弁護士会館2階講堂クレオで、約230人の参加で開催されました。
 当日は、 高木光太郎さん(青山学院大学教授)が基調講演「自白の心理学-なぜ無実の人が『自白』をしてしまうのか」をおこない、その後、高木さん、布川事件の桜井昌司さん、布川事件弁護団の青木和子さん、弁護士の小坂井久さんによるパネルディスカッションがおこなわれ、無実の人でも「自白」する理由について、心理学からの分析や当事者の体験などから明らかにされました。
 主催=取調べの可視化を求める市民団体連絡会(呼びかけ団体=アムネスティ・インターナショナル日本/監獄人権センター/日本国民救援会/ヒューマンライツ・ナウ)、共催=日本弁護士連合会/東京弁護士会/第一東京弁護士会/第二東京弁護士会。
 なお、本集会のもようは次のところで見ることができます。http://www.ustream.tv/channel/ai-japan
 
救援新聞 もくじ
2011年12月5日号


取調べ可視化実現を
国民救援会など3団体 平岡法相に要請


宮城・自衛隊監視差止訴訟/国民監視はやめよ!
違憲性は明白、来春判決へ

 監視の理由は
 裁判をも監視
 ひろがる支援
 人命救助こそ

最高裁は違憲無罪を
=国公法共闘会議が第2回総会=「あべこべ」社会の変革を


静岡・袴田事件-「自白」テープ開示を-
県本部が裁判所に要請


東京・東電OL殺人事件…再審に期待高まる!
報告集会と現地調査おこなう


なくせ冤罪!全国いっせい行動・・・
各地で大きな反響、42都道府県・約80カ所で宣伝


救援新聞 2011年12月5日号
取調べ可視化実現を
 国民救援会など3団体 平岡法相に要請
 

 冤罪事件の発生を防ぐためには、捜査機関の取調べの全面可視化(全過程の録音・録画)と検察の手持ち証拠の全面開示が不可欠です。国民救援会、全労連、自由法曹団の3団体は、11月21日、平岡秀夫法務大臣と直接面談し、一日も早い可視化と証拠開示の実現を求め、要請をおこないました。なお、今回の要請は、日本共産党参議院議員・井上哲士事務所の協力で実現したものです。

 要請行動の冒頭、国民救援会の鈴木亜(つぐ)英(ひで)会長が3団体を代表し、要請書を平岡大臣に手渡し、要請の趣旨を伝えました。
 鈴木会長はまず、足利事件、布川事件など、冤罪事件が相次ぎ明らかとなり、取調べにおける弁護士の立会権がないなかで、取調べの実態を明らかにするには、その全過程の可視化が必要であり、法務省として大事な課題としてとりくむこと、次に、検察が持っているすべての証拠を事前に弁護人に開示する法改正をすることを、平岡大臣に要請しました。その際、国民救援会が支援する事件の当事者・支援者からの不当な取調べの実態、証拠隠しの実態を告発した声を集めた資料を手渡しました。
 続いて、自由法曹団の篠原義仁団長が、「裁判員制度の導入の際、取調べの全面可視化と検察の手持ち証拠の開示が同時におこなわれるべきだった。千葉法務大臣の頃からの要請事項となっており、ぜひ実現をお願いしたい」と要請。足利事件の再審裁判で弁護人を務めた自由法曹団の泉澤章事務局長は、「足利事件の菅家さんは、過酷な取調べでウソの自白をさせられ、いつも取調べの可視化をしてほしいと言っている。法務省の主導で可視化を実現してほしい。また、無実の人が不当に拘束されないためにも証拠の全面開示を」と要請しました。
 全労連の高山由孝組織部長は、「多くの人が冤罪事件に巻きこまれている。人権と民主主義のためにも取調べの可視化の実現を」と要請しました。

「できる限りの開示が基本」

 要請に対して平岡大臣は、「野党時代から取調べの可視化の問題はすすめてきたので、頑張っていきたいと思っている。(法制審議会に新たに作られた)特別部会でもしっかり議論し、多くの方からいろいろな意見を出していただきたい。手持ち証拠の開示については、足りない部分について指摘をしていただければ検察庁へ伝える。できる限り開示することが基本的な流れであることは理解をしている」と回答しました。
 鈴木会長は、「最高検から『検察の理念』が発表されたが、取調べの可視化や手持ち証拠の全面開示の実現で、その理念を裏付けをしてほしい」と重ねて要請しました。

44年の苦しみ 大臣に訴えて

 国民救援会の瑞(ず)慶(け)覧(らん)淳副会長は、要請に参加できなかった布川事件の杉山卓男さんから、2点について大臣に伝えてほしいと託されたとして、「証拠開示がされていれば、44年間苦しむことはなく、また29年も獄中に閉じ込められることはなかった。証拠開示は緊急の課題として実現してほしい。また、取調べの一部を録音したテープが証拠として出され、有罪の根拠とされた。取調べの一部の可視化では、冤罪に苦しむ人が生まれるだけ。全面可視化が不可欠」とのことばを、平岡大臣に伝えました。
 平岡大臣は、「検察庁は取調べの可視化の試行をしており、件数が集まってから検証することになっている」と回答しました。
 最後に、安井純夫副会長が、「最高裁でたたかう事件当事者とともに活動する機会が多く、取調べの可視化と手持ち証拠の全面開示を切々と求めている。早期の実現を」と訴え、要請を終えました。

救援新聞 2011年12月5日号
宮城・自衛隊監視差止訴訟/国民監視はやめよ!
違憲性は明白、来春判決へ
 

 自衛隊の情報保全隊による国民監視は違法だとして、差し止めを求めて仙台地裁でたたかっている宮城・自衛隊の国民監視差止訴訟が11月14日に結審し、3月26日に判決を迎えます。これまでの裁判を通して明らかになったこと、このたたかいの意義を、原告団事務局長の堤智子さんに聞きました。

 陸上自衛隊の情報保全隊が、集会やデモなどの国民のあらゆる運動を監視しているという事実は、2007年に告発された内部文書によって発覚しました。ちょうど自衛隊のイラク派兵は違憲だとして、全国で裁判がおこなわれているさなかのことでした。仙台地裁でイラク派兵違憲訴訟裁判をたたかっていた3人も含めて、多くの団体および個人の運動が監視され、記録されている事実が明らかになりました。警察に提出したデモ行進の届出の記載内容も記録されており、警察とつながって情報収集していたこともわかっています。
 このことによって、集会への参加をためらったり、知人を誘えなくなるといった萎(い)縮効果や、自宅に出入りする人たちや家族にも監視が及んでいるのではないかといった不安がひろがりました。

監視の理由は  

 自衛隊にとって邪魔だと思える人たちを組織的・日常的に監視し、情報を分類して、系統的に記録する行為は、単に眺めているだけの監視ではありません。軍隊は、目的を遂行するうえで邪魔になるものはつぶしていくという本質的な性格を持っています。イラクなどでの戦争遂行に邪魔になる国民の運動をつぶして戦争に突き進んでいくことは、国民が平和に生きる権利が保障された憲法の理念に真っ向から反するものです。
 情報保全隊の監視対象が、国民の運動だけでなく、元航空幕僚長の田母神俊雄氏や、自衛隊OBの佐藤正久参議院議員など一部の自民党議員にも及んでいることも明らかになりました。自衛隊にとっては、イメージを悪くする極右的なものも困るので、つぶす対象になるのです。

裁判をも監視  

 裁判での国側の態度は、監視の事実の認否をしないという姿勢で一貫していました。一般的に裁判は、訴状に書かれたことが事実かどうかを明らかにしたうえで、その事実を裏付けるものとして証人を調べたり証拠を出したりするわけです。監視行為について肯定も否定もしないということは、裁判そのものを否定する態度です。これによって当初、裁判は立ち往生し、困難を極めました。しかし、当時の久間章生防衛大臣が国会で監視の事実を認める答弁をしたことや、国側が答弁書で、「原告の言う『監視』という概念があいまいだ」とか、「自衛隊の組織規範の中でやっている行為だ」と回答したことから、実質的には、監視行為の事実を法廷で明らかにすることができました。証人尋問や学者の意見書などで、監視の内容や被害の実態と違憲・違法性を明らかにし、実質的な審理に入ることができました。
 原告のうち5人が証言したのですが、国側は反対尋問を一切せず、また一人の証人も立てませんでした。そのうえさらに、法廷の被告(国側)席に現役の情報保全隊員が座っていたことも判明しました。裁判を否定し開き直るばかりか、もっと挑戦的な態度で、傍聴人を含め法廷全体を監視していたのです。裁判を敵視する態度には、並々ならぬものがあります。国を相手にする裁判は薬害訴訟や原爆訴訟などいろいろありますが、自衛隊を相手に裁判することの厳しさを身にしみて感じました。

ひろがる支援  

 4人の原告からスタートした裁判は、6次にわたって追加提訴し、原告107人、弁護団101人という大きな訴訟になりました。
 裁判闘争の原動力は、やはり原告であり、多くの事例が示しています。名古屋のイラク派兵差止訴訟で違憲判決を勝ちとったのは、3千人に及ぶ多くの原告の力があったためです。
 私たちの裁判も、支援者が原告としてたたかいに加わっていくことで、単なる裁判支援の力をもっと積極的な形にすることができました。原告になりたくても、「内部文書」に関わりがなかった人は、原告になれません。そうした人たちが支援する会を立ち上げたことで、原告と弁護団と支援する会の協力による裁判闘争をすすめてきました。
 また、監視対象となったのは、新婦人がおこなった憲法9条守れの宣伝や、民主商工会による消費税増税反対の行動などでした。団体は原告にはなれないのですが、団体としてもこの裁判闘争を高く位置づけてともにたたかう状況に至ったことは、この裁判の支援運動の特徴です。

人命救助こそ

 3月11日の東日本大震災で原告も被災しました。直接自衛隊の世話になって助けられた原告もおり、自衛隊の姿の一面が国民から支持されています。
 自衛隊に求められるのは、武器をとって戦争をすることではなくて、あくまで災害救助、人命救助の活動です。そうした意味でも、監視活動を認めることはできません。監視されずに自由に生きる権利を取り戻すために、この裁判に勝利したいと思っています。

〈要請先〉〒980―8639 仙台市青葉区片平1―6―1 仙台地裁・畑一郎裁判長
※署名などの問合わせは国民救援会宮城県本部TEL022(222)6458まで

救援新聞 2011年12月5日号
最高裁は違憲無罪を
=国公法共闘会議が第2回総会
=「あべこべ」社会の変革を
 

 「国公法弾圧2事件の勝利をめざし、公務員の政治的・市民的自由をかちとる共闘会議」が11月16日、東京・平和と労働センターで第2回総会を開き、約100人が参加しました。弁護団と検察双方から事件に関する書類が出そろい、この秋以降最高裁での本格的審理がすすめられる可能性があり、いっそうの運動の推進のために開かれたものです。
 この日、憲法学者の小澤隆一教授が、『ビラ配布の自由と民主主義―「石流れ木の葉沈む日々」を終わらせるために』と題して記念講演。小澤教授は、「ビラ配布」に象徴される、公務員の「一市民の立場での政治活動」の自由の獲得が、日本の民主主義の充実にとって必須の課題であること、そのためにも、ぐるみ選挙や政官財の癒(ゆ)着が放置される一方で、このような事件が起こされる「あべこべ」の国家・社会を変革することがいかに切実であるかを国民に広めることが大切であると訴えました。

20万署名達成へ

 共闘会議は、審理の大法廷回付と違憲無罪判決を求める署名運動とともに、最高裁に対し定期的な宣伝・要請行動にとりくみ、地域や地方の支援組織との共同での現地調査、上告趣意書や答弁書提出にあわせた最高裁前での行動、そして学習会などの運動を広げるとりくみをすすめてきました。11月9日現在、署名は13万6239人分、団体署名は3159、堀越事件の捜査を指揮した元最高検次長検事の古田裁判官の裁判からの回避を求める要請はがきは9千枚を普及しています。
 最高裁に違憲判断を迫る世論作りの一環として10月からとりくんだ「国公法弾圧2事件を大法廷に回付し、国民の言論表現の自由を守るよう求めるアピール」文化人署名に、210人を超える方がたから賛同が寄せられています。
 共闘会議は、この1年間で新たに8団体が加盟し合計33団体になり、全国の守る会や共闘会議は12団体が結成されています。

各地で学習広げ

 共闘会議は、ひきつづき20万署名推進、古田裁判官の回避を求めるハガキ運動の強化、支援組織の結成・拡大をすすめること、その推進のために弁護団の協力も得て労組・民主団体との共同した学習会、集会などの開催をすすめること、来春のシンポジウム開催などにとりくむ方針を決定しました。

救援新聞 2011年12月5日号
静岡・袴田事件-「自白」テープ開示を-
県本部が裁判所に要請
 

 再審をめぐって静岡地裁で審理がおこなわれている静岡・袴田事件で、11月16日、袴田巌さんの「自白」を録音したテープが存在することが明らかになりました。
 テープの存在は、静岡地検が提出した意見書の中で明らかになったもので、ウソの「自白」調書が作成されたいきさつや、取調べの内容を明らかにするうえで欠かせない証拠です。弁護団は、「自白の任意性を客観的に明らかにできる証拠だ」として開示を求めていますが、検察側は開示を拒否する姿勢を見せています。
 こうした状況を受けて、国民救援会静岡県本部は11月22日、静岡地裁に対して申し入れをおこない、「自白」テープの開示も含め、検察が隠し持っているすべての証拠の開示命令を出すよう要請しました。

救援新聞 2011年12月5日号
東京・東電OL殺人事件…再審に期待高まる!
報告集会と現地調査おこなう
 

 「無実のゴビンダさんを支える会」は11月20日、東京・渋谷区内で再審請求審報告集会と現地調査をおこないました。
 今年夏に検察側が開示したDNA型鑑定結果により、被害者の体内から採取された体液が、ゴビンダさん以外の第三者のDNA型であることが判明しました。これにより事件をめぐる状況が急展開し、この日も多数のマスコミが注視する中での学習会となりました。
 佃克彦弁護士が争点となった鑑定を一つひとつ解説し、それに続く質疑応答では、再審へのとりくみや刑の執行停止などの質問が出され、佃弁護士は「直ちに再審開始決定を求める」「刑の執行停止を求める要請もしている」と回答しました。
 学習会につづき現地調査がおこなわれ、事件現場となった渋谷区円山町周辺と、被害者の定期券が捨てられた豊島区内の現場を再検証しました。参加者は、ゴビンダさんの一刻も早い「再審開始決定」と「刑の執行停止」を求めて署名活動などの要請行動をいっそう強めていこうと決意を新たにしました。

救援新聞 2011年12月5日号
なくせ冤罪!全国いっせい行動
・・・各地で大きな反響、42都道府県・約80カ所で宣伝
 

 「無実の人を救え」を合言葉に、全国42都道府県・82カ所で「なくせ冤罪! 全国いっせい行動」の宣伝・署名・学習活動が展開されました(予定も含む)。今年は東日本大震災や原発問題の影響から、幅広い年齢層の間で人権問題への関心が高まり、各地のとりくみでもさまざまなドラマが生まれています。

若者も署名に

 岩手では1支部3団体、6人が参加し、盛岡市内での宣伝・署名行動にとりくみ、320枚のビラを配布、35人分の署名を集めました。東電OL殺人事件に関心のある中年女性は、「疑わしきは罰せずは大事なことだ」と意見を寄せてくれました。
 滋賀では9支部43人が参加し、9カ所で宣伝行動にとりくみました。「中学校の先生が痴漢冤罪事件に巻きこまれ裁判をたたかっています」と訴えると、出張中の青年が「本当にそんなことあるの?」と快(こころよ)く署名に応じてくれました。高校生がノボリ持ちに立ってくれるなど、1260枚のビラを配布し、署名66人分を集めました。
 三重では、津市内全域を宣伝カーで回ったあと、近鉄津駅前で4支部7人が駅頭に立ち、宣伝・署名行動をおこない、高校生や若い女性が積極的に署名をしてくれました。
 山口では1支部12人が山口市内の商店街に集合し、ビラ配布と5事件の署名行動にとりくみました。行動参加者は「冤罪事件の街頭署名は初めて。みんな我が事のように心配して署名してくれた」と手ごたえを感じていました。80人分の署名が集まりました。

ビラに好反応

 宮崎でも宮崎市内で9人が参加し、340枚のビラを配布しました。反応がとてもよく、横断歩道を渡って一度通り過ぎた人が、戻って来てビラを受け取ったり、冤罪事件の内容を聞きにくるという場面もありました。参加者からは「冤罪事件への関心が高まり、年齢を問わず幅広い層が注目している証拠だ」との感想が出されました。

救援新聞 2011年12月5日号
救援新聞 2011年11月25日号 
もくじ


救おう!無実の人々…なくせ冤罪!全国いっせい行動
 「他人事でない」=富山・高岡支部
 激励と募金受け=高知県本部
 「奥西さん救って」=大阪府本部ほか
 冬の気配のなか=岐阜県本部ほか
 救援会の姿見せ=群馬県本部ほか

兵庫・井筒公選法裁判-自由な選挙の実現めざし-井筒 高雄(いづつ たかお)さん

大阪・東住吉冤罪事件---「犯行は不可能」を実感、第1回「現地」調査 106人が参加

愛知・三菱電機派遣切り訴訟・・・偽装請負を認定

大阪・地裁所長オヤジ狩り事件国賠・・・勝訴判決が確定

裁判員制度の適正運用求め要請・・・山形地裁所長が応対

救援新聞 2011年11月25日号
救おう!無実の人々…なくせ冤罪!
全国いっせい行動
 

  11月13日から20日の8日間、「なくせ冤罪!全国いっせい行動」が、全国でとりくまれています。11月15日時点で37都道府県本部・63カ所で宣伝行動が予定されています。とりくまれた行動の一部を紹介します。

「他人事でない」=富山・高岡支部  

 富山県の高岡支部は11月13日、高岡市内で「なくせ冤罪!」の宣伝・署名行動を6人の参加でおこないました。
 「国民救援会は、多くの冤罪事件を支援してきました。すべての冤罪事件の犠牲者の救済と冤罪をなくすために、今こそ取調べの全面可視化・検察の手持ち証拠の全面開示の実現を求めて、全国でいっせい行動を展開しています」と訴えました。
 ビラを読んだ男性は、「他人事とは言えん。人間の尊厳を踏みにじるものだ」と話しながら署名に応じていました。(支部版より)

激励と募金受け=高知県本部  

 高知県本部では、13日、高知城のそばにある商店街の入口で20人が署名と宣伝行動をおこないました。観光客や買い物客で賑わうなか、再審を求めている白バイ事件の片岡晴彦さんも参加し、一緒にビラを配りました。
 ベンチに座ってじっとマイクの訴えに耳を傾ける人も。白バイ事件については、市民の関心が高く、署名しながら、「自分たちの非を庇(かば)う警察のやり方はひどい」「負けずに頑張って」と、激励の言葉やカンパが寄せられました。(事務局長・宮本尚)

「奥西さん救って」=大阪府本部ほか

 大阪府本部では、12日に大阪市内で宣伝行動をおこないました。国賠判決で勝利したオヤジ狩り事件の支援者が訴えると、「解決したんですね」「警察の取調べはやっぱり問題がある」など、大きな反響がありました。
 また、名張事件の大阪守る会が中心になって、同じ日に名張市内でも「出張」宣伝行動をしました。名張市では、毎年町おこしのイベントをおこなっており、4年前からこの会場の一角を借りて、宣伝・署名活動をし、272人分の署名協力を得ることができました。
 80代の方たちからは、「何とかして早く助けてやってくれ」と求められ、20代の青年たちも「かわいそうだ」といった声が飛び交いました。(事務局長・姫野浄)

冬の気配のなか=岐阜県本部ほか  

 15日正午から午後1時まで、名鉄岐阜駅前で、いっせい宣伝署名行動をおこないました。
 岐阜、各務原、羽島の3支部と岐阜県本部から計8人が参加しました。
 「一刻も早く再審開始を」の横断幕や「取調べの全面的可視化、すべての証拠を開示せよ」の手作り横断幕を掲げ、ハンドマイクで訴えました。
 対話した若い女性は、「名張事件をテレビで知った。お母さんに聞いて関心があった。何とかしてほしい」と署名に応じていただきました。
 ビラ250枚を配り、署名30人分が寄せられました。(県本部より)

救援会の姿見せ=群馬県本部ほか 

 群馬県本部では、15日の早朝7時30分から通信労組と合同で高崎駅前で10人で元気よく宣伝行動をおこないました。マイクで冤罪の実態を話し、足早に駅を出てくる通勤客にビラを配りました。
 足利事件や布川事件のことを知っている方も多く、「冤罪犠牲者を救うために、署名が力になるんです」との呼びかけに快(こころよ)く応じてくれました。訴えを聞いていた客待ちのタクシーや送迎車のドライバーも署名に協力してくれました。
 風もなくおだやかな天気のもと、1時間の行動でビラ550枚を配り、署名38人分を集めました。
 「交番の目の前で、よく冤罪のことを話すことができますね」と話しかけてきた通行人に、「国民救援会は権力の不正とたたかう人権団体だから、堂々と警察批判ができるんですよ」と答え、救援会の役割もアピールできました。(副会長・兼松進)

救援新聞 2011年11月25日号
兵庫・井筒公選法裁判
-自由な選挙の実現めざし-
井筒 高雄(いづつ たかお)さん
 

 政権交代によって自公政権の悪政にストップをかけるために、09年の衆議院選挙で、民主党などの候補者の支援を表明した地方議員の「活動報告」が公職選挙法違反として検挙された事件。井筒高雄さんは、憲法と国際人権規約を掲げ、自由な選挙の実現を求めてたたかっています。

 留置場の消灯時間を過ぎても延々と続く取調べ。井筒さんがどれだけ言葉を尽くして説明しても、捜査官は苛(いら)立つばかりで話を聞こうとせず、声を荒げて怒鳴りつけました。
 「応援した候補者が当選したら、金をもらおうとしてたんじゃないのか!」

政権交代をめざして

 兵庫県加古川市で、無所属で市会議員を2期務める井筒高雄さんは、長引く自公政権の悪政を食い止めるには政権交代を実現するしかないと考え、09年8月の衆議院選挙で、民主党など複数の政党の候補者を応援することを決め、そのことを記載した「活動報告」を手紙にして支持者に送りました。
 「無所属の地方議員の私が、なぜ政党の候補者を応援するのか、市民に説明する責任があると考えました。手紙には、『選挙による政権交代こそが、日本の民主主義を正常にする道』と書き、応援する3人の候補者の政策資料も同封しました」
 選挙で民主党を中心とした政権交代が実現した直後、井筒さんは警察に逮捕されます。出した手紙が公職選挙法違反にあたるとして、井筒さんのほかに発送作業をしたアルバイトの市民2人と、作業を指示した市議1人も逮捕されました。
 「文書違反による逮捕だと告げられたとき、別件逮捕だと思いました。手紙には、公選法で規制されている『一票入れてください』のような投票依頼の文言は入ってませんでしたから」

シナリオを描く警察

 23日間、朝10時から夜11時ごろまで延々と続く取調べに、同房者も異常さを感じます。「お前、人殺しでもやったんか?」
 「警察は、私が票の買収をしたという絵を描き、私が応援した候補者の失職を狙ったのではないかと思います。手紙については何も聞かれず、もっぱら金の動きについて聞かれました。政治で一番重視するべきなのは、候補者の政策だということが、彼らには理解できないようでした。議員は権力やお金の見返りを欲するものだという先入観が頭にあるのでしょう」
 買収のシナリオが成立しないと判断した警察は、逮捕の収拾をつけるために、文書違反の立件に切り替え、井筒さんに「自白」を迫ります。
 「違法文書だと認識して他の市議と共謀して手紙を郵送したな。お前が認めなければ、手伝ったアルバイトたちを任意でいくらでも引っ張れるぞ」
 逮捕された市民の一人は、2歳と4歳の子を持つ若い母親。〝これ以上迷惑はかけられない〟――悔しさを噛み殺して「自白」調書にサインしました。

真実を伏せる裁判官

 真実が勝つと期待して望んだ裁判は、今年8月、罰金50万円の有罪判決でした。公民権停止5年は、4年後の地方選に出られず、事実上8年間の議席を失うこととなり、井筒さんの政治生命が絶たれたも同然です。
 「法廷でいくら証言しても、裁判官は調書を採用します。それがどんな状況で作られたのかを検証もしません。取調べの過程が可視化されていなければ、裁判は被告の言い分を聞くだけの形式的な手続きでしかありません」
 「活動報告」の文言は、事前に総務省や選管のチェックを受け、投票依頼ではなく違法にならないことを確認していました。それがなぜ有罪なのか――判決は、「手紙を受け取った人が、親族・知人に働きかけることを期待している」として、手紙を受け取った人まで「共犯」扱いしました。事前に選管のチェックを受けたことについても、「選管の回答を安易に信用している」として、警察が「違法」と言えば違法になるという乱暴な認定でした。

人権の世界水準に光

 事件後、警察から電話や聞き込みが何度も来たことで、地域の後援会の人たちの選挙運動は萎縮します。共闘していた加古川市議の無所属の議員仲間も離れていきました。
 議会では議員辞職勧告決議が可決され、井筒さんは、迷惑をかけた責任を取って議員辞職を考えました。そんなとき、日本共産党の先輩市議から憲法と国際人権規約を掲げてたたかった大分の大石忠昭日本共産党市議の話を聞きます。ビラの枚数や配り方を細かく規制し、外国では当たり前の戸別訪問や文書活動を禁じた日本の公選法は、国際人権規約という国際条約に違反している事実を知り、暗闇に一筋の光を見つけました。
 「国際基準に照らしても、自分がやったことは何も間違っていないし、規約を文字通り読めば公選法は規約違反だと確信しました。むしろ、裁判所が憲法や国際人権規約を深く掘り下げて検証していないことに怒りを覚えました」
 井筒さんは、大石市議とともに不当な弾圧をたたかった国民救援会を紹介され、直後におこなわれた東播支部大会で支援を求めて訴えました。それが国民救援会との出会いでした。

もう一度地方政治へ

 事件直後から、関西一円の無所属議員などで作られた「井筒さんを救援する会」によって支援運動がはじまりました。国民救援会東播支部も地元の地の利を活かし、この会の事務局的な役割を担っています。
 逮捕された市民の体験を聞く機会が何度も設けられ、屈辱的な取調べの実態が知られるにつれ、この事件が、政治的立場の違いを超えた人権問題であるとの理解が広がっていきます。
 2010年の選挙で落選した井筒さんは、出身地の東京へいったん引き上げました。そんな井筒さんのもとに、国民後援会の役員から「もう一回、加古川に戻ってこないか」と声がかかっています。
 「救援する会と東播支部の共催で開いていただいた集会に参加した後援会の役員の方が、『国民救援会から国際人権の話を聞いて、弾圧の本質がわかった』とおっしゃってました。当事者である私がいくら説明しても受け入れてもらえませんでしたが、第三者である国民救援会が説明してくれたことに説得力があったようです」
 事件によって人生に大きな打撃を受けた井筒さん。期待していた政権交代は、自公政権と変わらず、国民不在の政治に終始する民主党政権をとても残念に思っています。しかし得るものも大きかったと話します。
 「この事件がなければ、冤罪事件は他人事でしたし、人権について深く考えることもありませんでした。さまざまな支援者に出会うことができ、『あなたは悪くない。自由な選挙を許さない警察・検察・裁判所がおかしいんだ』と言われ、正々堂々と政治活動を続けていいんだと勇気付けられました。再び地方議員に戻ったときには、警察常任委員会に入り、警察官のさらなる人権教育の環境整備にとりくみたいと思っています」
 井筒さんは大阪高裁に控訴。裁判勝利と自由な選挙の実現目指してたたかっています。

〈激励先〉〒650―0022 神戸市中央区元町通6―6―12 国民救援会兵庫県本部

救援新聞 2011年11月25日号
大阪・東住吉冤罪事件---
「犯行は不可能」を実感、第1回「現地」調査
 106人が参加
 

 11月5日~6日、東住吉冤罪事件第1回「現地」調査が大阪市内でおこなわれ、12都府県106人が参加しました。
 この事件は、1995年7月に青木惠子さんの自宅が全焼し、入浴中だった小学6年の長女が逃げ遅れて焼死したものです。警察・検察は、青木さんと内縁の夫の朴(ぼく)龍晧さんを保険金目当ての放火殺人として逮捕・起訴、裁判では無期懲役が確定し、現在、大阪地裁に再審請求中です。
 この日の「現地」調査では、有罪判決の重要な証拠とされた、車からガソリン7・3リットルを抜いて駐車場に撒き、ターボライターで火をつけたという朴さんの「自白」を中心に3班に分かれ検証しました。
 検証では、駐車場に出火元のガレージを再現して、朴さんと同じ体型の男性参加者がガソリンにみたてた水を撒(ま)く再現実験をおこないました。ガレージ内は狭く、自転車などが置かれていて思うように水を撒くことができずに、朴「自白」の36秒以上の時間を要しました。
 また、弁護団が再審請求審で提出した新証拠(火災再現実験)の報告では、朴さんの「自白」どおりポリタンからガソリンを撒きはじめると、約20秒後には気化したガソリンがガレージ内にある風呂釜の種火に引火して、ガレージが一気に炎に包まれることが明らかにされました。
 全体の報告会では、「20秒以内にガソリンを撒いて着火は無理で、朴『自白』どおりでは、ガソリンを撒いている間に火だるまになってしまう」など、確定判決への疑問が次々と参加者から述べられ、青木さん、朴さんの無実をあらためて確信し、一日も早い再審開始を求める決議を採択しました。
 再審請求審は、10月に弁護団、検察双方から裁判所へ最終意見書が提出され、裁判所は来年3月までには判断を示したいという積極的な姿勢であることが弁護団から報告されました。

救援新聞 2011年11月25日号
愛知・三菱電機派遣切り訴訟
・・・偽装請負を認定
 

 08年のリーマンショックの際、三菱電機名古屋製作所で正社員と同様に働いていた派遣社員が即日解雇され、職場復帰と損害賠償を求めて3人が提訴していた三菱電機派遣切り裁判で11月2日、名古屋地裁(田近年則裁判長)は原告勝訴の判決を言い渡しました。
 判決では、派遣先である三菱電機の責任を認定し、3人の原告らに損害賠償を命じ、偽装請負だったことを認定。リーマンショックを理由に年末に解雇し、他の職場を探すことすらしなかったことは、「身勝手極まりない」、新しい住居や働き場所を探さなければならない状況に追い込んだことは、原告らに「経済的・精神的に打撃を与えた」とし、雇用期間が決まっているにもかかわらず、生産の都合だけで解雇をおこなったことは「信義則違反」だったと、三菱電機を断罪しました。
 しかし、判決では職場復帰を認めませんでした。(県版より)

救援新聞 2011年11月25日号
大阪・地裁所長オヤジ狩り事件国賠
・・・勝訴判決が確定
 

 大阪地裁所長が金品を奪われ、無実の少年たち5人が逮捕、暴行や威圧的な取調べによって「自白」を強要した警察・検察などの責任を追及している大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠で11月11日、大阪府は上告を断念し、大阪府警の違法な取調べがあったことを認定し、大阪府に対して賠償を命じる原告勝訴の判決が確定しました。
 国民救援会大阪府本部と支援する会は、「府が上告を断念したことで、5人の原告に当たり前の生活が戻ることを心から喜ぶ」とし、「今回の判決が取調べの全面可視化実現の大きな力になることを確信し、原告の長きにわたる苦労をねぎらい、今後も誤判や冤罪根絶に向けてたたかいつづける」と声明を発表しました。

救援新聞 2011年11月25日号
裁判員制度の適正運用求め要請
・・・山形地裁所長が応対
 

 2009年5月21日に裁判員制度が施行されて2年余りが経過しました。国民救援会中央本部は裁判員制度施行3年後(2012年5月)の見直しにむけて、自由法曹団、全労連と改善要求をまとめ、政府・国会に要請する予定ですが、この間明らかになった問題点にもとづき10項目の適正運用要求として全国の地方裁判所に対して要請をおこなってきました。
 国民救援会山形県本部は自由法曹団山形支部と連名で10月12日に山形地裁に要請をおこないました。この要請には佐藤欣哉会長、木村事務局長、脇山拓自由法曹団山形支部長が参加。水野邦夫山形地裁所長が応対し、「請願事項を裁判官に伝える」と回答しました。(県版より)

救援新聞 2011年11月25日号

救援新聞 2011年11月15日号 
もくじ


大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠…二審も勝利判決 警察の違法捜査を断罪

被災地の国民救援会が頑張っています ふるさとを元に戻せ!なくせ!原発集会に1万人(福島)
〈宮城〉被災地で初の県本部大会

司法修習生給費制問題-国会の場で制度延長を-与野党に働きかけ強めて

国公法弾圧2事件=大法廷で憲法判断を、共闘会議が最高裁要請

秋田・大仙市事件で現地調査…「筋書き」は不可能

占領下の謀略「三鷹事件」⇒62年を経て、真相語り継ぐ会が発足

救援新聞 2011年11月15日号
大阪地裁所長オヤジ狩り事件国賠…二審も勝利判決  

 大阪地裁所長が襲われ金品を奪われた04年の大阪地裁所長オヤジ狩り事件。暴行や威圧的な取調べによって「自白」を強要された無実の青年・少年5人が、警察・検察などの責任を追及している国賠裁判で大阪高裁(坂本倫城裁判長)は10月28日、一審判決に続き、大阪府警の違法な取調べがあったことを認定し、大阪府に対して賠償を命じる原告勝訴の判決を言い渡しました。

警察の違法捜査を断罪  

 判決が言い渡された大阪高裁の傍聴席は満席となり、多くの支援者が法廷の外で、判決を不安げに待っていました。判決の言い渡しが終わり、弁護団の戸谷茂樹弁護士が支援者に「勝利判決と評価していい」と伝えると、「やった!」、「よかった!」と歓声が沸き起こり、ホッとした表情となりました。

一審に続いて違法性認める

 判決は、一審に続き大阪府警による違法な取調べがあったことを認定。元少年たちへの賠償額は、違法な身柄拘束期間に応じて1人の賠償額を減額し、もう1人の賠償額を増額しました。一方、事件を起訴した検察庁や、少年保護を放棄した児童相談所など、国や大阪市の責任は、一審同様認めませんでした。
 裁判は、2004年に大阪地裁所長が金品を奪われ、犯人の検挙に躍起となった大阪府警が、事件とは無関係の青年・少年たちを逮捕した事件で、強盗致傷罪に問われ、無罪判決などが確定した5人が、取調べで暴行や脅迫を受け「自白」を迫られたとして大阪府(府警)や国(検察庁)などを訴えていたものです。
 大阪高裁は判決で、元少年の供述について、「取調官による誘導や威圧的取調べ等なしに本件事件に関する供述を続けたとは到底理解できない」として、誘導や威圧的な取調べがあったことを認定しました。
 また青年への取調べについて、「特高警察を引き合いに出して恐怖心をあおることは、取調官に許容される裁量を逸脱した不当に威圧的な取調べと評価すべき」、「大声で怒鳴る、黙秘した際に机をたたき、あるいは蹴るなどの行為や、証拠はそろっている、黙秘をすると不利になるといった程度の発言はあったものと認めるのが相当」としました。そのうえで、「このような取調べ方法は、不必要に威圧的で、人格を侮辱し、黙秘権等の人権を侵害しかねないものであり、国家賠償法上違法といわざるを得ない」とし、大阪府警による取調べを断罪しました。
 報告集会で弁護団は、違法な取調べであったことを改めて認定し、高裁が大阪府の責任を認めた意義は大きく、一審判決に劣らない、それ以上の価値があるとしました。

全国の支援がたたかう力に

 原告の岡本太志さんは、仕事のため報告集会には参加できませんでしたが、感謝の気持ちを述べて退席しました。原告の元少年たちは、「皆さんがいなかったら、絶対ここまで来られなかったと思うし、皆さんが頑張ってくれたことでいい結果となりました」「警察は、亡くなった母親に謝ってほしい。救援会の皆さんには、この8年間、顔も知らない僕らのために活動してくれたことに感謝しています」などとお礼を述べました。
 原告の藤本敦史さんは、「警察と検察には謝ってもらいたい。それが本当のスタートではないかと思います。また、今日あらためて思いましたが、国民救援会という救世主が、冤罪で苦しんでいる人の力となって、良き日本に変えていく力ではないかなと思っています。僕にとって大切な会です」と語り、参加者から大きな拍手が送られました。

可視化めざし意義ある判決

 報告集会で発言した兵庫の大藤信子さんは、「難しい国賠裁判をたたかい、違法な取調べだったことを明らかにしたことは大きな意味がある。こういう運動を積み重ね、取調べの可視化につなげていきたい」と話し、支援する会の川村寛治事務局次長は、「皆さんの色々な形の支援が今日の勝利を勝ちとった。警察に謝罪せよと、おおいに宣伝していく」と決意を述べました。
 国民救援会大阪府本部と大阪地裁所長オヤジ狩り事件の国家賠償請求を支援する会は、10月31日、大阪府に対して一審判決を「知事の専決」で控訴したことを批判し、上告をするなと要請。大阪府警には取調べの全面可視化と冤罪の再発防止を申し入れました。

【上告断念要請先】
〒540―8570 大阪市中央区大手前2―1―22 大阪府知事 FAX 06(6944)1010

救援新聞 2011年11月15日号
被災地の国民救援会が頑張っています  

ふるさとを元に戻せ!なくせ!原発集会に1万人(福島)  

 10月30日、「なくせ!原発 安心して住み続けられる福島を! 10・30大集会inふくしま」が福島市四季の里でおこなわれ、1万人を超える人が参加しました。
 集会で、浪江町の馬場有(たもつ)町長は、「東電は原発事故の被害者に対して、補償をするから書類を書けと目線が上だ。これからも国と東電に対して果敢に挑戦していく」と訴えると、会場からは大きな拍手が送られました。飯舘村の菅野典雄村長は、「大変辛い思いをしているが、必死にふるさとを取り戻すため全力で頑張っている。ふるさとは、そこに居て慈(いつく)しむものという思いでいっぱい」と訴えました。
 日本共産党の志位和夫委員長は、「徹底的な除染をおこない、国民、子どもの命を守ろう。電力業界が核燃料サイクル計画で積み立てた原発埋蔵金で徹底的な除染と補償をおこなえの声を、みなさんご一緒にあげましょう」と挨拶すると、参加者からは「そうだ」の声や、大きな拍手がおこりました。
 原発をなくし、震災前の福島へ国と東電の責任で戻すことを求める集会アピールを採択。その後「原発いらない!」、「徹底的に除染しろ!」などとシュプレヒコールをしながら、福島市内をパレードしました。
「県民に大きな力」-石川信事務局長-全国からたくさんの方が参加し、原発事故に立ち向かう福島県民にとって大きな力となりました。浪江町長や飯舘村長など被災地のまっただ中に居る方がたの訴えに、改めてこの事故の深刻さと重大さ、運動を広げることの大切さを感じました。会場で、国民救援会の旗が見え、とても心強かったです。

〈宮城〉被災地で初の県本部大会  

 東日本大震災から7カ月余、10月30日、宮城県本部大会が開催されました。当日は、福島での原発反対集会と重なり、会員の多くも集会に参加したため、参加者は例年より少ない約30人でしたが、熱心な討論がおこなわれました。
 冒頭、大震災で亡くなった7人を含め、今期亡くなった会員に対し黙祷を捧げました。報告にたった吉田広夫事務局長は、大震災で運動が一時的な停滞と後退は余儀なくされたものの、被災の大きかった石巻支部でも会議を開き、再び前進にむけてとりくみがはじまったこと、地元事件をはじめ全国100を超える事件の支援など役割を発揮することを強調し、そのためにも来年夏の第56回全国大会にむけて1300人の組織にしようと呼びかけました。
 筋弛緩剤冤罪事件の勝利を勝ちとるためにも、再審無罪を勝ちとった布川事件の経験に学ぼうと、弁護団の山本裕夫弁護士による記念講演がおこなわれ、討論では、石巻支部の代表が、この間常任委員会も数回開催し、支部大会を成功させたいと決意を語りました。
 最後に鹿又副会長が、「守大助さんの再審無罪、自衛隊の国民監視を許さず、そのためにも1300人会員の実現めざそう」と、「団結ガンバロー」を三唱して終了しました。

救援新聞 2011年11月15日号
司法修習生給費制問題-国会の場で制度延長を
-与野党に働きかけ強めて


 司法修習生の修習期間中に給与を支給する給費制の維持をめぐる問題で、民主党の前原政策調査会会長は11月1日、給費制を廃止し、貸与制に移行する政府方針を明らかにしました。今後は国会の場で存続の是非が検討されることになります。
 給費制は昨年もいったんは廃止されましたが、その後の国会審議のなかで、実施を1年延長する法改正を勝ちとった経緯があり、日本弁護士連合会では、与野党による修正協議のなかで、給費制を存続する内容の修正を求めていく構えで、与野党に対して働きかけを強めていく方針です。
 10月27日には、国民救援会も参加する「司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会」や日弁連、ビギナーズネットなどの共催で集会・国会パレードをおこない、約1500人が制度存続を求めてアピールしました。議員面会所では、公明党、共産党、社民党などの野党議員が出迎え激励。制度存続を求めてエールの交換をおこないました。

救援新聞 2011年11月15日号
国公法弾圧2事件
=大法廷で憲法判断を、共闘会議が最高裁要請
 

 「国公法弾圧2事件の勝利をめざし、公務員の政治的・市民的自由をかちとる共闘会議」の最高裁要請行動が、10月26日におこなわれました。約20人が参加して早朝の宣伝行動と最高裁第2小法廷への要請をおこないました。
 要請のなかでは、この秋に開かれた国民救援会の5つの都県本部大会による「違憲無罪判決を求める要請決議」が提出され、千葉、東京、愛知の各都県本部の代表が決議の趣旨を伝えました。
 千葉労連の代表が、「この事件は国民の言論表現の自由に関わる問題であり、労働組合としても極めて重視している。最高裁にふさわしい憲法判断を」と要請。愛知の代表は、「裁判官は、憲法21条をきちんと読んでほしい、国際的な流れに沿った判決を」と訴えました。
 国公法共闘会議の代表は、共闘会議が10月にとりくんでいる学者文化人アピールで、150人を超える著名な学者文化人から賛同が寄せられ、注目されていることを報告し、こうした声に応えられる判決を求めました。

救援新聞 2011年11月15日号
秋田・大仙市事件で現地調査…「筋書き」は不可能  

 幼児を殺害したとして服役中の畠山博さんの冤罪を晴らすため、国民救援会秋田県本部は、事件発生から5年目にあたる10月23日に、大仙市事件の現地調査をおこない、県内のほか山形、青森、岩手から28人が参加しました。
 畠山さんが車内で暴行をおこなったとされる「道の駅・かみおか」の駐車場では、警察の実況見分や一審の判決どおりに事件を再現しました。警察・検察のストーリーでは、畠山さんが自分の軽四輪の助手席で幼児に暴行したとされていましたが、幼児の母親と2人が重なりあった状態では、傷害を与えるには狭すぎて物理的に不可能であることが参加者全員の前で明らかになりました。また、1分間に74台の車が出入りする駐車場では、周囲に気づかれずに幼児に暴行することはできないことも確認しました。
 参加者は、幼児が遺体で発見された用水路の現場で花束を捧げ、現地調査で得た確信にもとづいて弁護団と協力して再審請求にむけ活動を広げる決意を新たにしました。(県本部・小林泰夫)

救援新聞 2011年11月15日号
占領下の謀略「三鷹事件」
⇒62年を経て、真相語り継ぐ会が発足
 

 三鷹事件のモニュメントをつくる運動を発展させた「三鷹事件の真相を究明し、語り継ぐ会」発足のつどいが9月11日、三鷹市内で開かれ、約150人が参加しました。
 三鷹事件は、占領下の49年、無人電車が暴走し、6人の死者を出した事件で、国鉄首切りに反対する「共産党の犯行」と喧伝され、国労組合員10人が起訴されたもので、竹内景助さんの単独犯行とされ、死刑判決が確定。竹内さんは脳腫瘍で獄死するまで無実を訴え続け、国民救援会も故・森山四郎氏を中心に粘り強く支援しました。
 つどいでは松川事件の弁護団の一員だった松本善明・元衆議院議員が記念講演をおこない、下山・三鷹・松川の三大謀略事件をアメリカによるオペレーション(作戦行動)の視点で見直すことが重要だと指摘しました。代表世話人に松本善明さん、堀越作治さん(元朝日新聞編集局次長)、宮本二郎さん(元国労三鷹電車区)の3氏を選出しました。

救援新聞 2011年11月15日号
2011年11月5日号 
救援新聞  もくじ


名張毒ぶどう酒事件-鑑定結果が無実証明-「再審決定を直ちに」高裁・高検に18人が要請

鹿児島・大崎事件-原口さんの無実を実感/第14回現地調査に84人

全面可視化、早期に!/市民団体連絡会 民主党法務部門へ要請

平和・人権守り90年=自由法曹団=記念行事と総会開く

救援新聞  2011年11月5日号
名張毒ぶどう酒事件-鑑定結果が無実証明
「再審決定を直ちに」高裁・高検に18人が要請
 

 再審をめぐる審理がおこなわれている名張毒ぶどう酒事件で、再審に決定的な影響を与える毒物の成分分析の結果、毒物が「自白」のニッカリンTではなかったことを示す鑑定が出たことを受けて、名張事件全国ネットワークと各地の守る会、国民救援会は、10月18日、名古屋高裁と高検に要請行動をおこない、ただちに再審開始決定を出すよう求めました。

 「もうこれ以上、奥西さんの人生を弄(もてあそ)ぶな」

 名古屋高裁の一室で、全国から参加した支援者が口々に再審決定と奥西勝さんの釈放を求めました。大きな争点だった毒物の鑑定結果が10月3日に出されたことで、この日の要請は緊迫感の漂(ただよ)う行動となりました。

条件満たした  直ちに再審を

 審理が差し戻されて1年半。最高裁から速やかな審理が要求されているなか、それに応えない裁判所の姿勢に、要請団の批判が集中しました。
 「最高裁が指示した『速やかな最小限の実験』の結果、検察の主張は崩れた。再審しかない」「〝疑わしきは被告人の利益に〟の鉄則に従い、再審を開始すべきだ」と訴えが続きました。
 愛知県本部事務局長の竹崎義久さんは、「最高検が出した『検察の理念』なる倫理規定には、『無実の者は罰してはならない』と書いてあるが当たり前のこと。こういう検察を育てた裁判所にも責任があり、その反省に立ち、一刻も早く再審決定を」と迫りました。長野県本部副会長の滝下祐市さんは、「憲法18条には、犯罪の処罰以外の苦役に服させられないとあるが、奥西さんは犯罪ではなく冤罪。不法な苦役で憲法違反だ。また、公平で迅速な裁判とは言えず37条にも違反している。奥西さんを自由の身にすることは裁判所の職責だ」と強調しました。奥西さんとの特別面会人の一人、大阪守る会の早川幸子さんは、「命が消える前に助けることは裁判所にしかできない」と述べ、面会で奥西さんが、「鑑定が出たので、一日も早く再審を」と話したことを紹介しました。
 続いて名古屋高検では、ただちに異議申し立てを取り下げて奥西さんを釈放するよう訴えが相次ぎました。名張事件全国ネット事務局長の砂野道男さんは、「検察がマスコミにリークして、自分に都合が良くなるよう世論誘導するのは恥ずべき行為。堂々と会見を開き、公式な見解を表明せよ」と強い口調で批判しました。
 要請行動には、三重、愛知、東京、長野、大阪、兵庫から18人が参加しました。

山場を迎えて 各地で声あげ

 鑑定結果が出て、審理は山場を迎えました。要請行動の前におこなわれた弁護団による「成分分析報告会」のなかで、夏目武士弁護士は、「弁護団も再審開始を裁判所に迫るが、運動体も大いに声をあげてほしい」と呼びかけました。裁判所の背中を押す世論の力が求められています。
 こうした状況のなか、鑑定結果を学んで早期に再審を確定させる力にしようと、各地の救援会の県本部・支部が学習会を計画しています。10月には、北海道の函館、室蘭と青森の八戸で学習会が開かれ、中央本部副会長の稲生昌三さんが毒物鑑定の結果を報告し、支援を訴えました。支部結成準備中の名古屋市北区では、名張事件について学び、支部結成に勢いをつけようと学習会を計画しています。長野、富山、兵庫でも学習・報告会が計画され、再審決定を迫る世論を大きくしていく構えです。また、名張事件全国ネットでは鑑定結果を受けて新たな署名用紙を用意しました。
 国民救援会は、11月13日から「なくせ冤罪!全国いっせい行動」を展開します。各地の県本部・支部は街頭で訴え、署名やハガキなどで、「再審決定と釈放を」の声を裁判所に集中しましょう。

〈要請先〉
〒460―8503
 名古屋市中区三の丸1―4―1 名古屋高裁・下山保男裁判長

救援新聞 2011年11月5日号
鹿児島・大崎事件-原口さんの無実を実感
第14回現地調査に84人
 

 10月15、16の両日、鹿児島県大崎町で大崎事件の第14回全国現地調査がおこなわれ、10都府県から84人が参加しました。
 集会で原口アヤ子さんは、支援者の手を借りて立ちあがり、「私は、やっていないことの罰を受けたまま死ぬことはできません。体に気をつけて頑張りますので、ご支援、ご協力をお願いいたします」と、一日も早く雪冤を果たしたい気持ちと、ひきつづく支援を訴えました。
 弁護団が、新たに提出した新証拠について解説。新証拠によって、被害者の「殺害」がおこなわれたとされる現場での被害者の体液の痕が、「共犯者」とされた人たちの「自白」と異なり、客観的証拠と矛盾することが明らかになったと説明しました。
 また、弁護団の証拠開示要請に対して検察は、「警察が持っている証拠のため、検察は分からない」など、極めて不誠実で不当な対応をしていることが報告されました。
 その後、参加者はマイクロバス2台に分乗して、被害者が自転車で落ちた現場の用水路に向かい、再現実験をおこないました。その結果、人形を乗せた自転車が用水路に激しく落下。人形も真っ逆さまに用水路に落ち、大きくゆがみました。人間であれば相当な負傷を負うことが分かり、被害者は殺害されたのではなく事故で死亡した可能性が高いことを実感しました。
 また、遺体が発見された被害者宅近くでは、「共犯者」とされた人たちの「自白」や、用水路に落ちた被害者を運んだ人たちの供述などを紹介しながら、原口さんが「事件」と無関係であることが説明されました。

救援新聞 2011年11月5日号
全面可視化、早期に!
市民団体連絡会 民主党法務部門へ要請
 

 取調べの可視化を求める市民団体連絡会(呼びかけ団体=アムネスティ・インターナショナル日本、監獄人権センター、日本国民救援会、ヒューマンライツ・ナウ)のメンバーが10月13日、民主党法務部門会議・松野信夫座長と面談し、取調べの全面可視化の早期実現について要請しました。国民救援会からは鈴木猛事務局長が参加しました。
 要請では、足利事件、布川事件など相次ぎ再審無罪判決が出され、冤罪が社会的に問題になっているいまこそ、取調べの全面可視化を実現するチャンスであり、与党である民主党がイニシアチブをとって法制化することを求めました。松野座長も、「思いはみなさんと同じ」とし、可視化実現にむけて努力していきたいと語りました。
 同部門会議は8月25日、冤罪を防止するために、警察・検察の取調べの録音・録画が不可欠であり、「被疑者・参考人を問わず、取調べの全過程を録音・録画する必要がある」との提言を発表しています。

救援新聞 2011年11月5日号
平和・人権守り90年=自由法曹団=記念行事と総会開く  

 自由法曹団の創立90周年の記念行事が10月21日、都内で開催され、団員の弁護士をはじめ労組・民主団体などから約620人が駆けつけました。
 自由法曹団は1921年8月に結成され、平和、人権、民主主義の擁護を掲げる弁護士団体で、現在、約2千人の弁護士が参加。国民救援会とも、戦前は治安維持法弾圧犠牲者の裁判闘争、戦後も松川事件をはじめ、言論弾圧事件、冤罪事件、労働事件など、ともに運動をすすめてきました。
 記念行事では、「流れをかえる―9・11と3・11そして」をテーマにして、伊波洋一前宜野湾市長など多彩なパネラーによるリレートークがおこなわれ、今後の展望を語りあいました。つづくレセプションでは、国民救援会の鈴木亜(つぐ)英(ひで)会長が乾杯のあいさつをおこないました。
 翌22日には団の総会が開かれ、東日本大震災の復興や比例定数削減、非正規労働者のたたかい、国公法弾圧2事件のたたかいなどが熱心に討議され、議案を採択しました。また、団長に篠原義仁氏(新)、幹事長に小部正治氏(再)、事務局長に泉澤章氏(新)を選出しました。


救援新聞 2011年11月5日号
救援新聞 11年10月25日号 

もくじ


三重・名張毒ぶどう酒事件・・毒物鑑定、検察主張崩れる
鑑定で奥西さんの無実明らか・・・「再審急げ」の声を広げて

ふくしま復興共同センター  
東電・各省庁に要請

司法修習生 給費制の存続を
民主主義の基礎築く、憲法と共に給費制誕生

人権守る法曹になれない-経済的理由で困難増す-

2011年司法総行動-国民の人権守る司法へ
裁判所、警察庁、法務省などへ要請

救援新聞 2011年10月25日号
三重・名張毒ぶどう酒事件
・・毒物鑑定、検察主張崩れる  


 名古屋高裁で再審請求の審理がおこなわれている名張毒ぶどう酒事件で、10月3日、奥西勝さんが使用したとして有罪の根拠となった毒物の成分分析の鑑定結果が、鑑定人から裁判所、弁護団、検察の3者に渡されました。弁護団は7日に会見を開き、「検察主張の誤りが明らかにされ、弁護団主張の正しさが科学的、客観的に実証された」と表明しました。11日には、裁判所に意見書を提出し、検察が望むこれ以上の「再製・再現」実験と鑑定をおこなう必要はなく、検察の異議申立てを棄却し、直ちに再審を決定するよう求めました。

「一日も早く再審を」     奥西勝さん、心境語る

 12日に奥西さんと面会した愛知県本部の稲生昌三副会長によると、奥西さんは、「これ以上審理を引き伸ばさず、もう結着して欲しい。一日も早く裁判所は再審開始を決めて欲しい。期待の想いで正月と86歳(1月14日が誕生日)を迎えたい」と心境を話しました。

鑑定で奥西さんの無実明らか・・・「再審急げ」の声を広げて  

 名張事件の差戻し審の大きな焦点は、事件に使われた毒物が農薬・ニッカリンTであったかどうかです。「ぶどう酒にニッカリンTを入れた」とするウソの「自白」が、奥西勝さんの有罪の根拠となっています。

■「自白」崩れる

 弁護団は、「ニッカリンTには、特定の副生成物・トリエチルピロホスフェートが含まれているが、事件直後のペーパークロマトグラフ試験では検出されていないため、使われた毒物はニッカリンTではない」と主張してきました。
 弁護団が未開封のニッカリンTを用いて鑑定をおこなった結果、トリエチルピロホスフェートは17%以上含まれることが明らかになりました。これに対して検察は、「5%以下」と主張しました。
 こうした争点を明らかにするため、裁判所は、製造元企業にニッカリンTを当時のレシピで再製造させ鑑定することを決定。成分分析をおこなうことに弁護団も同意しました。
 ぶどう酒に毒物を混ぜたことを想定し、鑑定はニッカリンTを水に溶かして分析をおこないました。その結果、再製ニッカリンTはトリエチルピロホスフェートが24・7%、弁護団が提供したニッカリンTは16・6%含まれるという結果が出ました。これにより、検察の主張は崩れ、犯行に使われた毒物はニッカリンTではないことが実証され、奥西さんの無実がより明らかになりました。

■議論に決着を

 一部マスコミが、今回の鑑定を「検察に沿う分析結果」「今後の審理が長期化」などと報道しましたが、まったく的外れです。
 検察は今回の鑑定にいたるまで、主張を二転三転と変遷(せん)させました。当初、「当時の鑑定でトリエチルピロホスフェートが検出されなかったのは、加水分解したから」(異議審=名古屋高裁)と主張。その後「発色が弱いから」(特別抗告審=最高裁)と変わり、現時点(差戻し審=名古屋高裁)においては、「従来の主張を留保する」と述べるとともに、新たに、「トリエチルピロホスフェートの比率は5%以下、微量であるか別な成分の可能性」との主張を持ち出しました。
 「いまだ科学的知見に基づく解明がなされていない」として最高裁から差し戻された現在の審理。今回の鑑定で、検察の主張は科学的な根拠がないことが証明されました。名古屋高裁は、毒物に関する議論をすぐに決着させるべきです。

■命かけた闘い

 鑑定人は、依頼された成分分析と別に、事件当時もおこなわれたエーテル抽出の実験をおこない、「当時の方法で鑑定した場合、トリエチルピロホスフェートが検出されない可能性がある」としました。しかし、この実験は、酸性条件にしていない、芒(ぼう)硝(しょう)で脱水後ろ過していないなど、事件当時と異なる条件設定のため、再現実験の意味を成していません。このことは、検察が実施を求めるペーパークロマトグラフ試験の再現実験も、当時の実験条件が確定できず、条件しだいで結果が大きく変わることから、無意味であることを逆に証明しました。
 奥西さんはすでに85歳となり、これ以上の審理引き伸ばしは命にかかわります。名古屋高裁は、検察の異議申し立てを棄却して、再審開始と奥西さんの釈放を決定すべきです。

■全国から声を

 鑑定結果が出たことで、審理は山場を迎えました。11月13日~20日の『なくせ冤罪! 全国いっせい行動』をはじめ、署名やハガキなどで、「再審を確定し釈放せよ」の声を全国から名古屋高裁に集中しましょう。

〈要請先〉
〒460―8503 
名古屋市中区三の丸1―4―1 名古屋高裁・下山保男裁判長

救援新聞 2011年10月25日号