三重・名張毒ぶどう酒事件 愛知、東京で緊急集会
4月5日、最高裁が名古屋高裁に、再審開始すべきかどうかもう一度審理するよう差戻す決定を出した三重・名張毒ぶどう酒事件。「無実の奥西勝さんの釈放を」と各地で運動が広がっています(写真は東京集会)。
愛知
差戻し審がおこなわれる名古屋高裁がある愛知で4月16日、名張事件の緊急支援集会が開かれ、104人が参加しました。
主催者を代表して、愛知県本部の阪本貞一会長が「名古屋高裁でのたたかいに全力をあげたい」とあいさつ。
弁護団は、最高裁が再審開始を取り消した決定に対し、毒物問題を科学的知見に基づいて検討したとはいえないとしていることを指摘し、最高裁は差し戻しではなく自ら再審開始決定を出すべきだったと厳しく批判し、奥西さんに残された時間は少ないと訴えました。
面会人の稲生昌三副会長が「奥西さんは決定を聞いて落ちこんでもいましたが、今は冤罪を晴らしたいと決意を固めています」と報告しました。
最後に愛知守る会の田中哲夫事務局長から「奥西さんを救出するために、直ちに行動を」と行動提起がおこなわれました。5月21日には名古屋高裁、名古屋高検への要請行動が予定されています。
なお、差戻し審は、名古屋高裁刑事2部(下山保男裁判長)に決まりました。
東京
東京では、4月22日に緊急の報告集会が平和と労働センターで開かれ、44人が参加しました(主催=名張事件東京守る会)。
弁護団の野嶋弁護士は、弁護団が提出した5点の新証拠のうち、毒物問題だけを採用して他の4点を退けたことについて厳しく批判。差戻し審では、すべての論点で無実を主張していくことを明らかにしました。また、現時点で奥西さんの死刑執行が停止になった状態であり、裁判所の裁量で奥西さんを釈放することは可能だと指摘しました。
ジャーナリストの江川紹子さんも参加し、「なぜ最高裁自身が再審開始しなかったのか」と批判し、一日も早く奥西さんを救い出そうと訴えました。
東京守る会の行動提起がおこなわれ、名古屋高裁あての署名に力を尽くすことなどが確認されました。
救援新聞 1010年5月15日号