高知・白バイ事件
警察の捏造ねつぞう明らか
弁護団が画像鑑定書を提出
高知・白バイ事件の再審請求審で弁護団は、警察の証拠捏造を明らかにするため、千葉大学三宅洋一名誉教授(工学博士)の「ネガフィルムに関する鑑定書」について、2月28日、高知市内で記者会見を開きました。
事件は2006年、止まっているスクールバスに白バイが衝突し、バス運転手の片岡晴彦さんが業務上過失致死で起訴され、有罪(禁固1年4月)が確定し服役したものです。片岡さんは出所後、10年に再審請求を申し立てました。
生田暉雄主任弁護人は「3月3日で事件発生から7年。この間の民事裁判でも、スクールバスは動いていたとされ、その根拠はタイヤのスリップ痕(こん)が証拠とされました。しかしそれは警察の捏造であり、この事件は警察の犯罪です。提出した三宅鑑定(スリップ痕は液体などにより、人為的に偽造したと疑わざるを得ない)がそれを裏付けています」とあいさつしました。
坂本宏一弁護士は「裁判所からの要請で開示された検察官手持ち証拠の6本のネガフィルムの解析画像、顕微鏡画像の科学的な解析で、証拠が捏造された痕跡が随所に見られる」と鑑定結果を報告しました。
日本自動車事故解析研究所の石川和夫所長は、三宅鑑定の重要ポイントについて、鑑定書の図表を拡大したパネルを掲げ、詳しく説明しました。
請求人の片岡さん
は、「三宅鑑定を受け入れられないのなら、司法は終わり。バスが止まっていたからブレーキ痕はなかった。当時の22人の中学生の真実の証言を明らかにしたい」と三宅鑑定の証拠採用を訴えました。
会見後の三者協議では、三宅鑑定の扱いについて検察官は検討中としました。
国民救援会高知県本部と片岡さんの支援団体は、5月下旬に大決起集会の開催を計画しています。(松浦章仁)