救援新聞で見る2007年
[1月]
▽今年は、痴漢冤罪事件を取り上げた映画『それでもボクはやってない』の監督・周防正行さんへのインタビューでスタート。
▽安倍晋三首相が、「私の内閣で憲法改正をめざしたい」と年頭にあいさつ。
[2月]
▽富山・氷見市の強姦・強姦未遂事件で冤罪が発覚。国民救援会富山県本部は、県警、知事などに全容解明などを求める(9日)。
▽東京・町田痴漢冤罪事件で、東京地裁八王子支部は、Aさんに懲役1年6月の不当判決(5日)。
[3月]
▽静岡・袴田事件で、一審の元裁判官・熊本典道さんが、袴田巌さん(死刑囚)は「無罪と思った」と国会で記者会見を行い、社会に衝撃を与えた(9日)。
▽佐賀・北方事件で、福岡高裁も無罪判決(19日)。
▽NTTリストラ裁判で、大阪地裁で一部勝訴(28日)、東京地裁では不当判決(29日)。
[4月]
▽いっせい地方選挙で、自由でのびのび選挙をすすめようと、各地で選管や警察への申入れ活動、「のびのび選挙学習運動」、民間パトロール活動。
▽東京・亀戸交番暴力警官事件で、最高裁第2小法廷が、渡辺明さんの上告を棄却する不当決定。懲役7月・執行猶予3年(4日)。
▽12人全員が無罪となった鹿児島・公選法志布志事件の当事者を招き、取調べの可視化を求める院内集会が開催される(24日)。
▽4月17日に、長崎市の伊藤一長市長が銃撃された事件で、「暴力による言論封殺は許せない」と国民救援会が声明(18日)。
[5月]
▽拷問等禁止条約の第1回日本政府報告に対する審査が、スイス・ジュネーブの国連拷問禁止委員会で実施(9~10日)。国際人権活動日本委員会、国民救援会、布川事件の杉山卓男さんと桜井昌司さんの妻・恵子さんらが事前の公式ミーティングに参加し、日本の実態を告発。その後18日には、同委員会から代用監獄を批判した最終見解が出される。
▽改憲手続き法案が成立(14日)。
▽「白鳥決定」が出された5月20日を前後して、全国各地で、「無実の人を救う」全国いっせい宣伝が取り組まれる。
▽少年院に送ることができる年齢を「14歳以上」から「おおむね12歳以上」に引き下げるなど、少年法改悪案が成立(25日)。
[6月]
▽自衛隊の情報保全隊が、イラク派兵反対などの国民の運動を監視し、情報を集めていたことを、日本共産党が公表(6日)。国民救援会は、情報活動の全容公表と監視活動の中止を求め、各地で抗議行動。
▽福島・帝京安積学園の幹部が組合つぶしを狙った脅迫・銃撃事件の民事裁判で、福島地裁郡山支部で和解が成立(6日)。
▽すべての裁判勝利をめざし、第17回全国裁判交流集会が、27都府県・46事件から172人の参加で開催(8~9日)。
▽刑事裁判への被害者参加制度の新設法案が成立(20日)。国民救援会は「刑事裁判の原則を侵す」との抗議声明(22日)。
[7月]
▽富山・大日岳遭難訴訟が、名古屋高裁金沢支部で、賠償金の支払いや安全対策をとることなどの条件で和解成立(26日)。
▽参議院選挙で、自民党が大敗(29日)。
[8月]
▽創立80周年・第54回全国大会の成功をめざして第51回中央委員会が開催され、方針を決定(4~5日)。
▽滋賀・IBM野洲解雇事件が、大津地裁で和解(22日)。
▽静岡・えん罪御殿場少年事件で、東京高裁は、元少年4人に対し懲役1年6月の不当判決(22日)。
▽長野・えん罪ひき逃げ事件で、長野地裁は、塚田学さんに懲役2年の不当判決(29日)。
▽宮城・故大友先生公務災害認定裁判で、仙台地裁は、自殺は公務災害であると認定する判決(28日)。
▽東京・沖田国賠裁判で、東京高裁は、沖田光男さんの訴えを退ける不当判決(29日)。
▽群馬・中国人強制連行労働薮塚・月夜野事件で、前橋地裁は、原告の請求を棄却する不当判決(29日)。
[9月]
▽神奈川・保土ケ谷事件で、東京高裁は、警官の救護義務違反は認め、県に賠償を命じたが、救護義務違反と死亡との因果関係や虚偽の死体検案書を作成した監察医の責任は認めず(6日)。
▽大分・選挙弾圧大石市議事件で、福岡高裁は大石忠昭さんに対し、罰金15万円の不当判決。他方、全国からの10万筆を超える署名や毎週の裁判所要請などによって一審で付いていた公民権停止をはずさせる成果を勝ちとる(7日)。
▽安倍首相が突然の辞任表明(12日)。
▽宮城・泉高校元教諭高橋敏一先生過労死訴訟で、最高裁第2小法廷は、遺族の訴えを退ける不当決定(21日)。
▽国民金融公庫不当差別事件が、一、二審の不当判決をはね返し、最高裁で和解(25日)。
[10月]
▽鳩山邦夫法務大臣の、死刑の自動執行を求める発言に対し、国民救援会第7回中央常任委員会で、辞任・罷免を求める決議。同法相、福田首相、および各政党に対し、抗議・申入れ(2日)。
▽東京・立川自衛隊官舎ビラ配布事件が、自衛隊と警察の計画的弾圧であることを「しんぶん赤旗」が公表。国民救援会は、陸上自衛隊・立川派遣隊に抗議(23日)。
[11月]
▽神奈川・デパート地下痴漢えん罪河野事件で、最高裁第2小法廷は、二審判決(罰金40万円)を支持し、河野優司さんの上告を棄却する不当決定(6日)。
▽東京・町田痴漢 罪事件で、東京高裁は、Aさんの控訴を棄却する不当判決(14日)。
▽茨城・布川事件で、東京高裁での再審開始決定確定めざし、全国集会と全国現地調査(24~25日)。
[12月]
▽大分・選挙弾圧大石事件で、大石忠昭さんが最高裁に上告趣意書を提出(4日)。
▽東京・ 飾ビラ配布弾圧事件(荒川庸生さん)で東京高裁が一審の無罪判決を覆し、罰金5万円の逆転不当判決(11日)
救援新聞 2007年12月15日号 1555号