大阪・地裁所長オヤジ狩り国賠の公判で検事が証人尋問
大阪地裁所長が襲われ、現金を奪われた事件で、犯人とされた成人男性2人と元少年3人が、警察や検察などの責任を追及して訴えているオヤジ狩り事件国賠裁判の口頭弁論が7月6日、大阪地裁でおこなわれました。
この日証人として出廷したのは、事件当時大阪地検で凶悪事件を担当していた徳久検事。被告(国や府など)代理人の質問に答えて捜査・起訴は間違っていなかった、少年たちの供述調書は一貫しており、信用性があった、成人2人のアリバイは確たるものではなかったと述べました。
原告代理人の戸谷弁護士が、成人たちの刑事裁判でおこなった証言と全く変わらないが、少年たち3名も含め、全員が無罪となった今、捜査上問題があったとは考えていないのかと、鋭く追及。「犯人」とされた少年の1人のアリバイを証明する携帯の通話記録の存在や、きちんと解析すれば犯人を見誤ることにはならなかった防犯カメラの映像から、犯人でないことを確認できたのではないか、さらに客観的証拠が何もない少年たちの「自白」とその変遷から、信用性判断が重要ではなかったのかと迫りました。しかし徳久検事は、警察・検察ともに事件が無罪となったことについて検討していないので返答できないと答弁。まったく反省のかけらもない態度に傍聴席から怒りの声が起こりました。
若干の証人・証拠の採用を留保したまま、次回は9月21日に最終意見陳述の予定です。
救援新聞 2010年7月25日号