第55回国民救援会全国大会を開催
国民救援会への期待の広がりを受けて、さらに強く大きな組織をめざし、すべての事件で勝利しようと、7月31日から3日間、国民救援会は群馬県安中市で第55回全国大会を開催しました。47都道府県からの400人を超える参加者(要員含む)で、熱のこもった討論がおこなわれました。
1日目は、瑞慶覧事務局長が議案に対する報告をおこない、言論弾圧事件や冤罪事件での大きな前進などにふれ、国民救援会が歴史的な転換点に踏み出していると強調。つづけて、再審無罪を勝ちとった足利事件の菅家利和さんが特別報告をおこない、「救援会のみなさんのご支援があったから解決できた」と語り、大きな拍手に包まれました。
事件関係者が壇上にズラリと並び、一人ずつ自己紹介し、激励の拍手をうけました。国公法弾圧事件の堀越明男さんが代表して決意表明し、「すべての事件勝利のために、支援をお願いします」と語りました。
2日目から始まった討論では、兵庫・ポスター貼り弾圧で不起訴を勝ちとった神戸西区支部のとりくみをはじめ、各地の事件のたたかいの様子や、組織拡大に積極的にとりくむ支部の姿などが活き活きと語られ感動を与えました。全体では108件の発言が通告され、そのうち60件の発言がされました。
最終日は、瑞慶覧事務局長が討論のまとめをおこない、大会議案を全会一致で採択しました。さらに、特別決議・要請決議と「会員へのアピール」を採択。新たな役員が選出され、新体制のもとで大会決定を実践していきます。
最後に、すべての事件に勝利し、情勢に応えられる強く大きな組織の建設をめざし、いまこそ大きく打って出ようと、参加者全員で〝団結ガンバロー〟をおこない、閉会しました。
会員へのアピール
日本国民救援会は7月31日から3日間、群馬県安中市で第55回全国大会を開催し、47都道府県と加盟団体、諸事件から448名が参加し、熱い討論を経て今後の活動方針を採択しました。
私たちは前大会以降、国公法弾圧堀越事件での逆転無罪判決、足利事件の再審無罪確定、布川事件の再審裁判開始、名張毒ぶどう酒事件の差戻し決定や、枚方冤罪事件の逆転無罪確定など、いくつもの勝利判決をかちとってきました。そして大会開催直前、神戸市西区ポスター公選法事件が釈放・不起訴をかちとったという嬉しいニュースが飛び込んできました。
いま、国民救援会が支援する事件や裁判は、国民から熱い注目を受けています。冤罪への理解が、言論弾圧への怒りが、国民の声として確実に広がっています。
一方で、不当判決を受けて悲しむ当事者や、拘束された家族を思う人たちの、切実な訴えがありました。こうした当事者や家族に寄り添い励ます救援運動の大切さがあらためて浮かび上がっています。
葛飾事件の荒川さんは、不当判決に負けず、その後もビラを配りつづけていると語りました。
国公法弾圧堀越事件の堀越さん、世田谷事件の宇治橋さんは、公務員の政治活動を規制することは憲法違反であることを正面から主張し、最高裁で無罪判決をかちとる決意を語りました。
過労死事件、労働事件、市民事件でも、粘り強く事件の真相を広く市民に訴えることが貴重な勝利につながっていることが報告され、どんなに困難に見えても真実と正義はいつか必ず勝つことを教えてくれています。
「これからも冤罪に苦しむ人々を支援していきたい」と語る足利事件の菅家さん。
「上告が棄却されたが、堂々とたたかってきたことを誇りとして、しっかり顔を上げ、前を向いて歩いていきたい」と述べた痴漢冤罪被害者。
「親として息子が生きた証を立てたい」と声を振り絞る過労死裁判の遺族。
「真っ暗な道を歩いているような気がしていたが、国民救援会に出会い、苦しんでいるのは自分ひとりじゃないことを知った」という労働裁判の当事者。
「刑務所にいる父にちゃんとした治療を受けさせてやりたい」と涙ぐむ家族。
そして全国の支部から、懸命に事件支援にとりくむ様が発言されました。
弾圧、冤罪、労働、市民事件の当事者、弁護団、支援者が励ましあった3日間でした。
またこの救援運動の大切さを広げようと会員拡大、組織建設、財政活動に活き活きととりくむ会員の姿も報告されました。この大会で得たものを、事件の勝利に結びつけましょう。事件関係者や国民の期待に応えるために、いま以上に旺盛な支援活動を進める組織づくりが求められています。ひとりでも多くの人にこのとりくみに参加してもらいましょう。国民救援会をもっともっと大きくしましょう。
人権と民主主義を発展させるために、力を合わせてがんばりましょう。
2010年8月2日 日本国民救援会 第55回全国大会
鈴木猛新事務局長の挨拶
事務局長に選ばれた鈴木です。重責に身が引き締まる思いです。
私は2006年の全国大会で専従20年の表彰を受けたとき、「この仕事をして本当によかった」と発言をしました。今日、みなさんの発言を聞いて、あらためてこの仕事をやっていてよかったと思いました。
この3日間の豊かな討論の結果採択された大会決議を実践し、すべての事件の勝利と、それを保障するための国民救援会を強く大きくするために、先頭に立って頑張りたいと思います。
全国大会に参加されたみなさん、全国の会員のみなさん、そして役員のみなさんと力を合わせて頑張りますので、よろしくお願いします。
救援新聞 2010年8月15日号