大分・選挙弾圧大石市議事件
最終盤、無罪へ全力を
自由な選挙を求め、無罪判決をめざしてたたかっている大分・選挙弾圧大石市議事件の控訴審は最終盤に入りました。4月27日には、第4回公判が福岡高裁で開かれ、日弁連・国際人権問題委員会の藤原精吾弁護士と大石忠昭さんに対する尋問が行われました。次回5月30日の公判で結審し、9月にも判決が予想されています。全国からの支援を強めましょう。(7面に大石さんの訴え)
公判には、14府県から180人を越す支援者が集まりました。支援者は公判に先立ち、裁判所前で街頭宣伝を行い、「2月の市議選で大石さんは再びトップ当選を果たし、豊後高田市にとってなくてはならない人だということが改めて証明されている。裁判所は市民の判断を真(しん)摯(し)に受け止め、地元住民の『公民権を停止するな』という声に耳を傾けよ」、「買収や供応などの腐敗選挙は野放しにし、正当なビラ配布活動を行った大石さんを罰することはおかしい」、「全国からの大石さんの無罪を求める声に応えよ」と次々に訴えました。
国際的見地に
遅れた裁判所
裁判では、はじめに藤原精吾弁護士に対する証人尋問が行われました。藤原証人はまず1979年に日本政府が国際人権規約を批准したことをうけて、日弁連として「国内法の整備と人権規約の諸規定実現のための取り組みを推進する決議」を行ったこと、そしてその後、機会あるごとに決議の実現のために行動してきたことを具体的な実例を挙げて述べました。しかしながら、日本政府はいまだ規約批准に伴う法整備を怠っているのみでなく、被害の救済を国連に求める個人通報制度等の選択議定書の批准をも、司法権の独立に重大な影響を及ぼすとして回避している、そのために日本の裁判所は人権規約・国際法の適用に習熟していない、また判決が国際的検討の場にさらされていないと指摘。その結果、選挙に関しても世界の実態を知らず、戸別訪問等に対する弊害も抽象的・感覚的な評価であり、具体的危険の証明なしに表現の自由を制約するのは許されない、と厳しく批判しました。
「大石は必要」
住民から期待
大石市議事件 行動予定
●第5回公判
5月30日(水)午後1時30分 福岡高裁(12時10分、裁判所前で事前集会)
●大石市議事件の無罪判決を求める全国集会
5月30日の公判終了後、午後4時30分より、福岡高裁裏の中央市民センターホールにて
●ブロック別高裁要請行動
(各要請とも木曜日)
・6月21日 関西ブロック
・6月28日 中国・四国ブロック
・7月26日 九州ブロック
・8月23日 東海・北信越ブロック
・8月30日 東日本ブロック
つづいて本人尋問に立った大石さんは、「自らの信条として住民こそが主人公と、議会で起こったことを常に知らせることを心がけてきたし、逮捕後も変わらない」、「被告としての重荷を背負いながらもさまざまな住民要求実現にも力を尽くしてきた」、「その結果、今回の選挙でもトップ当選を果たすことができた」、「本日、藤原証言を聞き、改めて公選法の不備を実感した。どうか一審以来の記録を精査して、私の議席を奪わないでください、私を必要とする住民の期待を裏切らせないでください」と無罪を訴えました。
「守る会」と国民救援会では、高裁での逆転無罪をめざして、10万筆の署名(現在6万5千筆)の達成、また6月から各ブロック毎の裁判所要請、さらに次回5月30日の最終弁論のあと、福岡市内で「大石市議事件の無罪判決を求める全国集会」を500人規模で開きます。
〈激励先〉 〒870―0951 大分市下郡1602―1 国民救援会大分県本部内「選挙の自由を広げ大石さんを守る会」
〈要請先〉 〒810―0043 福岡市中央区城内1―1 福岡高裁・虎井寧夫裁判長