静岡・えん罪御殿場少年事件
事件は「被害者」の作り話
弁護団が最終弁論で少年らの無実を主張
判決は8月22日に
守る会 逆転無罪めざし全力
2001年、静岡・御殿場市で、女子高校生のウソから少年たち10人が強姦未遂罪で逮捕され、うち4人が刑事裁判にかけられ、無実を訴えているえん罪御殿場少年事件の最終弁論が5月21日、東京高裁で行われ、静岡からの30人を含め100人を超える人びとが傍聴券を求めて並びました。
公判に先立ち、「守る会」と国民救援会は、高裁前で宣伝を行い、その後裁判所に要請。少年たちの元同級生6人も参加し、「彼らは犯人ではない。ぜひ無罪をお願いします」と訴えました。そして、署名(累計)294団体、個人6767人分と「守る会」会員の上申書3通を提出しました。
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最終弁論では、主任弁護人の沼澤龍起弁護士が、「この事件は少年たちが犯行に加担した事実はなく、そもそも犯罪そのものが存在していない。静岡地裁沼津支部の判決(懲役2年)は破棄されるべきである」と述べました。
つづいて弁護団は、「被害者」とされる女子高校生について、「列車事故で帰りが遅くなる」と母親にウソをついて男友達と遊んで深夜に帰宅したところをとがめられ、男女交際にうるさい母親に体罰も加えられたこともあったため、「口実」として、少年らに御殿場中央公園で強姦されそうになったと架空の事件を仕立て上げたものであり、信用できないと強調。また、女子高校生の供述に関連し、御殿場駅での降雨量の報告書から、当時雨が降っていたことが証明されたが、女子高校生の供述には雨のことが一切ふれられていない上に、公園の休憩所の隣の芝生で暴行に遭ったと言っているのに衣服が濡れたなどの供述がないのはおかしいと指摘。さらに、雨の日に休憩所ではなく芝生で暴行した理由として、「休憩所にロープが張られていた」との供述があるが、捜査報告書ではロープは9月14日から張られていたとなっており、「犯行日」とされる9月9日にはロープが張られていなかったと述べ、女子高校生の供述は客観的な証拠と矛盾し、事件が作り話であることを明らかにしました。
一方、少年たちの「自白」については、警察の強制や誘導などで強いられたもので、ウソの「自白」であると指摘。女子高校生は当初述べていた「犯行日」9月16日がウソとわかると9月9日に変更したが、少年たちの「自白」ではすべて9月16日になっていると指摘、「自白」は警察の誘導によるものであり、少年たちの無実の訴えこそ真実である、と述べました。
この日の法廷では、少年たち4人の陳述書も提出され採用されましたが、その中で少年たちは「決して犯行を行っておらず、無実です」と述べ、無罪判決を強く求めました。
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判決日は8月22日午前10時に決まり、報告集会では、判決まで署名や要請、宣伝などを全力で取り組もうと確認しました。
〈無罪要請先〉
〒100―8933
千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・中川武隆裁判長
〈激励先〉
〒412―0004
御殿場市北久原566―6 勝又育夫方
えん罪御殿場少年事件・無実の少年たちを守る会
救援新聞2007年6月5日号(1537号)