茨城・布川事件
再審を勝ちとろう!
早ければ来春にも決定
東京高裁の審理も重要な局面を迎え
全国集会と現地調査 全国から350人参加
1967年、茨城県利根町布川(ふかわ)で起きた強盗殺人事件の犯人とされ、無期懲役の判決を受けた桜井昌司さんと杉山卓男さんが再審(裁判のやり直し)を求めている布川事件は、東京高裁での審理も重要な局面を迎え、早ければ来春にも決定が予想されます。「守る会」は、水戸地裁土浦支部の再審開始決定を確定させ、一日も早く無罪を勝ちとろうと、11月24~25日、全国集会と全国現地調査を行いました。
全国集会・コンサート
再審へ心ひとつに
24日、茨城・土浦市で、「布川事件の再審開始をめざす全国集会―いまあなたに 佐藤光政コンサート」が開かれ、北海道から九州まで21都道府県約350人が参加しました。
1部の集会では、まず弁護団が高裁での審理について報告。殺害方法が、有罪判決の認定した扼殺(やくさつ 手で絞めて殺すこと)ではなく絞殺(ひも状のもので絞め殺すこと)であること、桜井さんの「自白」を録音したテープに13カ所もの改ざんの痕があったことなどを、鑑定人の証言で明らかにしてきたと説明。裁判の進行に関連し、11月30日に、殺害方法について裁判所が鑑定を依頼した学者の証言が行われ、実質結審する予定で、早ければ来春にも決定が出される見込みであるとし、「真実を求める国民の声を裁判所に届けてもらいたい」と締めくくりました。
桜井さん、杉山さんがあいさつに立ち、「事件から40年になりますが、いまでも取調べや不当判決のことは覚えています。いまの高裁の裁判長は名張事件で再審開始決定を棄却した人です。みなさんのご支援をよろしくお願いします。頑張ります」(杉山さん)、「検察は私たちの無実の証拠を隠しているんです。私は再審開始に確信をもっています。お力添えをお願いします」(桜井さん)と訴えました。
2部として、長年支援コンサートを開いてきた佐藤光政さんが登場。桜井さんが獄中で作った詩に曲をつけたCD「壁のうた」から「ゆらゆら春」などを歌い上げました。最後は、「ふるさと」を、参加者全員で歌い、再審確定に向けて心をひとつにしました。
第17回全国現地調査
ウソの「自白」検証
翌25日には、布川事件の第17回全国現地調査が行われ、132人が参加しました。
参加者は、桜井さんの説明を聞きながら、「犯行」後に通ったとされる順路に沿い、ウソの「自白」について検証し、集会の場所となる利根町役場まで歩きました。
現地調査後の集会では、弁護団から、「自白」テープの改ざん問題や「自白」通りには犯行が行えないことを実験映像なども使い説明がされました。
桜井さん、杉山さんの支援の訴えにつづき、「守る会」の中澤宏事務局長から、裁判所に署名や要請ハガキを届け、再審開始めざし最後まで世論を広げようと行動提起がなされ、再審開始決定の確定を勝ちとろうと決意を固め合いました。
〈要請先〉〒100―8933
千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・門野博裁判長
〈激励先〉
〒113―0034
文京区湯島2―4―4 平和と労働センター5階
布川事件桜井さんと杉山さんを守る会
救援新聞 2007年12月5日(1554号)