東京・町田痴漢冤罪事件
事実を無視し不当判決
Aさん、「事実と違う」と抗議
通勤途中のJR横浜線車内で会社員のAさんが痴漢に間違われ、逮捕・起訴された町田痴漢冤罪事件で、東京高裁(高橋省吾裁判長)は11月14日、一審判決(懲役1年6月)を支持し、控訴棄却の不当判決を言い渡しました。Aさんは上告し、最高裁でたたかいます。
判決理由の読み上げが終わると同時に法廷に「不当判決!」の声が上がりました。Aさんは「事実と違う」と訴え、「裁判所は罪を作るところなんですね」と家族が涙ながらに声をからしました。
判決は、身動きもとれないほどの満員電車内で「犯行中の左手を肩まで持ち上げた」(被害者)、「6分間にわたって犯行を目撃した」(自称目撃者)という不自然、不合理な証言を「事実と符合し、互いに補強しあって」いると強弁、弁護側の再現実験ビデオなどは「状況と必ずしも同一といえない」などと切って捨てました。とりわけ犯行が開始された時間にAさんは携帯でメールを作成中であり、「右手でメール、左手で痴漢は不可能」と主張していた点では、〝犯行開始時間までにメールをほとんど打ち終わっていたとすれば矛盾しない〟と全くの想像で犯行が可能だと決め付けました。さらに量刑判断で、実刑の理由に、「被害者を証人として尋問する結果を招いた」ことをあげたことは、憲法に保障された「裁判を受ける権利」や被告人の防御権を否定する暴論で絶対に許せません。
報告会では参加者が「裁判の名に値しない」「人生を賭けた裁判をたった1回で結審したのは許せない」「真実は一つ。支援の輪を広げて最高裁をたたかおう」と、本人・家族を激励しました。
〈抗議先〉
〒100―8933
千代田区霞が関1―1―4 東京高裁・高橋省吾裁判長
救援新聞 2007年12月5日(1554号)