東京・世田谷国公法弾圧事件
「現行犯逮捕」は捏造
宇治橋さんが証言
東京・世田谷国公法弾圧事件の第16回公判が11月16日、東京地裁で開かれ、宇治橋眞一さん本人に対する検察官の反対尋問が行われました。
前回の公判で宇治橋さんは、ビラを配布した池尻住宅では逮捕されておらず、署に来てくれと連行され、国家公務員であることが分かってから逮捕を告げられたことを供述し、警察・検察が主張する池尻住宅での現行犯逮捕はねつ造であることを明らかにしました。
今回の公判では、検察官が、「任意であるなら、なぜパトカーに乗って警察に行ったのか」「任意であるかどうか確認したのか」等と宇治橋さんの証言を崩そうと執拗に尋問してきましたが、これに対し宇治橋さんは、警察官に対し「なぜ警察署に行かなければいけないのか」「任意であるからパトカーから降ろしてくれ」と言っても何も答えず、手は出さないが身体全体で強引に誘導し、まるで「鶏を追うように」パトカーに乗せられ、連行された実態を明らかにしました。
また、宇治橋さんがパトカーの中などで携帯電話で通話をしていたと証言したことに、検察は通話記録ではそのような事実はないと質問。これに対し、弁護団は「証拠に通話記録はなく、警察官が宇治橋さんの携帯電話の履歴を書き写したとする捜査記録しかない」と異議を述べました。
また、「ビラ配布は誰に指示されたのか」「あなたの所属する共産党の支部名は?」などの質問に対し、宇治橋さんはきっぱりと「黙秘します」と宣言。それでも検察は「黙秘する理由は?」と質問し、裁判長から「黙秘する理由は尋ねなくてもいいでしょう」と注意される始末。また検察のしつこい尋問に、弁護団から異議が述べられ、裁判長が質問の打ち切りを命じる場面もありました。
質問終了後、国公法弾圧堀越事件の裁判で「国家公務員の政治活動に刑事罰を加えることは憲法違反」とした関西学院大学・長岡徹教授の意見書要旨を弁護団が述べました。
なお同日、世田谷国公法弾圧を許さない会や国公労連、国民救援会など12人が裁判所要請を行いました。
救援新聞 2007年12月5日(1554号)