最高裁、2事件に不当決定
千葉・明乳争議市川訴訟 不当差別是正せず
明治乳業の市川工場の労働者が提訴していた裁判について、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は2月17日付で、上告棄却・上告不受理の不当決定を行いました。
「合理化」を強行しようとする明治乳業は、労働条件の改善をめざして民主的な労働組合活動を行ってきた労働者に対し、賃金・昇格差別を行いました。これに対し市川工場で働く32人の労働者が、賃金の昇給・昇格差別の撤廃・是正を求めて85年に東京都労働委員会に申し立てました。
しかし、都労委、中労委ともに、救済の申立てを退ける不当命令を行いました。これを不服として裁判所に提訴しましたが、一、二審とも請求棄却の不当判決が出されました。ただし、二審東京高裁は、賃金に明らかに格差のあることを認め、原告である労働者の主張について「妥当するとみる余地はある」などとの判断を示しました。
今回の最高裁決定は、「受理すべきものとは認められない」という門前払いの決定で、会社の不当差別を是正しない不当なものです。
争議団、支援共闘会議、弁護団は声明を出し、「不当な決定を乗り越え、争議の全面解決をめざして引き続きたたかう」と決意を表明しています。
〈抗議先〉
〒102―8651
千代田区隼町4―2 最高裁第3小法廷・田原睦夫裁判長
〈激励先〉
〒272―0015
千葉県市川市鬼高2―6―2 明治乳業争議団
長野・蒲原沢土石流国賠 国の責任を認めず
長野・蒲原沢土石流国賠裁判について、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は2月17日付で上告不受理の不当決定を通知してきました。
この裁判は、1996年12月に新潟県境にある長野県小谷村の蒲原沢で、前年の集中豪雨によって発生した土石流の被害の復旧工事を行っていた作業員がふたたび発生した土石流に襲われ、14人が死亡した事故について、亡くなった3人の遺族が工事を発注した国や県の責任を追及して起こした裁判です。
一審の長野地裁松本支部は、蒲原沢が土砂が崩壊しやすい地層や地形であり、当時大雨・雪崩注意報が出ていたことを認めながら、土石流の発生は予見不可能であったとして、原告の請求を棄却し、昨年8月には東京高裁も一審判決を支持し、控訴棄却の不当判決を出し、これを不服として最高裁に上告していました。
今回の最高裁決定は、最高裁が「受理すべきものとは認められない」と、国などの責任を認めず、短期間で十分な審理もしない不当なものです。
〈抗議先〉
〒102―8651
千代田区隼町4―2 最高裁第3小法廷・近藤崇晴裁判長
〈激励先〉
〒380―0823
長野市南千歳1―19―9
サンライズホテル内国民救援会長野県本部気付
救援新聞 2009年3月5日号